特集 すぐそこにある心血管エマージェンシー
急性心血管疾患:知識が救命につながる
ショックを伴う不整脈に対する早期診断と初療
藤野 紀之
1
Tadashi FUJINO
1
1東邦大学大学院医学研究科循環器内科学
キーワード:
心室頻拍
,
頻脈誘発性心筋症
,
完全房室ブロック
,
二次性QT延長症候群
Keyword:
心室頻拍
,
頻脈誘発性心筋症
,
完全房室ブロック
,
二次性QT延長症候群
pp.1309-1313
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika120_1309
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Summary
▪ショックを伴う不整脈疾患として,心室頻拍(VT),心房細動(AF)などによる頻脈誘発性心筋症(TIC),完全房室ブロック(complete AVB),そして薬剤や電解質異常に伴う二次性QT延長症候群などがある.
▪VTは,心室細動に移行する不整脈であり,適切な早期診断と初期治療が非常に重要となる.
▪頻脈性AFに対する不十分な心拍数コントロールがTICを惹起し,さらに不適切な治療が行われるとショックとなり心不全が増悪する.
▪complete AVBはたいてい失神や心不全で来院されるが,ときにショックや多形性VTを呈して来院することがある.
▪過度の投薬や下痢,脱水などの電解質異常によりQT延長からtorsade de pointes(TdP)が出現し,ショックにいたることがある.
© Nankodo Co., Ltd., 2017