1枚のシェーマ
胸部下行大動脈瘤術後乳び胸に対する左側胸管結紮術
渡辺 敦
1
1札幌医科大学呼吸器外科
pp.940
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu76_940
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症例は85歳,男性.肺穿破による喀血のため,緊急で下行大動脈人工血管置換術を受けた.術後2日目より乳び胸を認め絶飲食としたが,胸水排液量は減少せず,外科治療の方針となった.術前にオリーブ油を投与し,3孔の鏡視下手術とした(図1).遠位側吻合部近位に乳びをみたが胸管を同定できず,リンパ管様管腔をクリッピングした.横隔膜上で胸膜を切開し,食道(Eso)-大動脈(Ao)間から奇静脈(AV)を同定後,AV-Ao間にAo壁に沿って走行する胸管を確認しクリッピングした.さらに,フィブリン糊を貼付した.
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