連載 専門医に必要な画像診断技術 (第2回)
1 胸部X線像―基本の「き」
呼吸器
濱田 典彦
1
N. Hamada
1
1国立病院機構高知病院放射線科
pp.114-119
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu72_114
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呼吸器領域における画像診断の柱は,胸部単純X線検査(chest radiography/chest X-ray:CXR)とX線CT検査(computed tomography:CT)である.胸部では肺の空気濃度内に腫瘍や炎症などの病変が水濃度として明瞭なコントラストを呈しやすいため,呼吸器はCXRに非常に適した臓器であり,CTの検出器多列化,MRIの高磁場化,核医学の技術進歩の中,CXRは今日でも廃れることのない重要な検査方法である.CXRはCTと比較して,X線被曝が少なく簡便に撮影可能で,安価である点で優位である.被曝線量はCXRでは0.02~0.1 mSvで,CTでは1~30 mSv(おおよそ1:100程度),初回の診療報酬点数はCXRでは合計210点でCTでは合計1,130~1,590点である(2018年現在,CT検査の診療報酬は検出器列数により異なる).
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