特集 退院後を見据えたがん患者のスキンケア
総論
在宅療養するがん患者の皮膚症状とスキンケア
宇野 育江
1
Yasue UNO
1
1リニエ訪問看護ステーション二条/皮膚・排泄ケア特定認定看護師
pp.569-572
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango30_569
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
がん患者は,疾患および治療法の副作用として皮膚乾燥や皮膚障害を発症するリスクが高く1),これにより生活の質の悪化,および治療意欲の減退が認められることがある.がん患者の皮膚障害を予防するためには継続したスキンケアが重要である.しかし,入院期間中はスキンケアを“治療の一環”として実施できていた患者であっても,在宅療養に移行すると,日常生活の優先度が高まりスキンケアが後回しにされることは少なくない.とくに以下の点が課題として挙げられる.
①外用薬のアドヒアランスの低下:初回受診時よりも継続受診後の外用薬使用率が減少する傾向がある.
②予防的スキンケアの不足:皮膚障害が発生したあとの対処は行いやすいが,予防を目的としたスキンケアの実施は十分ではない2).

© Nankodo Co., Ltd., 2025

