Japanese
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投稿 事例報告
乳がん化学療法における脱毛の時期,経過,および気持ちの変化についての観察研究
A case report: Observational study of hair loss and emotional progress during chemotherapy for breast cancer
吉田 吏江
1
,
花出 正美
2
Rie YOSHIDA
1
,
Masami HANADE
2
1翠会ヘルスケアグループ精神医学研究所
2公益財団法人がん研究会有明病院がん相談支援センター
キーワード:
乳がん化学療法
,
脱毛量と推移
,
脱毛期の不安
,
QOL向上
,
ウィッグ調整
Keyword:
乳がん化学療法
,
脱毛量と推移
,
脱毛期の不安
,
QOL向上
,
ウィッグ調整
pp.739-742
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango27_739
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がん化学療法中の1事例において,詳細な脱毛開始時期,脱毛量およびその部位の経過を観察するとともに,そのときどきの不安などの気持ちを聞き取り,経過時期ごとに起こるQOL低下に必要な支援について考察したので報告する.抗がん薬投与後,脱毛開始から終了の過程で毎日脱落した毛髪を回収,乾燥重量の測定,脱毛箇所の観察を行い脱毛過程の推移を記録した.さらに脱毛中のウィッグ装着感,不安感を聴取した.AC療法第1サイクル開始後13日目に脱毛が頭頂,こめかみから始まり,脱毛開始4日目には脱毛量はピークとなり,第2サイクル開始時点ではほぼ全毛髪は脱落していた.患者の精神的不安の1つは,脱毛中に外出が可能であるかということに関係していた.また,ウィッグに関しては,脱毛量に応じて調整が必要であることがわかった.
© Nankodo Co., Ltd., 2022