特集 スペシャリストが伝えたい消化器の症状マネジメント
Ⅱ.患者さんからこう言われたら? ~腹部編~
おなかが痛い③ ~肝破裂リスク~
岩崎 多津代
1
1国立病院機構東京医療センター看護部/がん看護専門看護師
pp.482-485
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango27_482
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事例
既往歴のない50代,女性.
腹部増大,あばらに刺さるような痛みがあり近医受診.MRIにて14 cm大の腫瘤あり,多発HCCと診断され消化器内科に紹介.病変は,肝右葉尾側に長径約15 cmの巨大な腫瘍性病変を認め,その腫瘍内側に径約17 mm,肝左葉S3に径約22 mm,肝右葉S7に径約10 mmの腫瘤を認める.肝硬変を疑う所見はなし.
根治的治療ではないが,化学療法前の病理検査・腫瘍量減量,および破裂予防の目的で外科的核出術(肝右葉切除術もしくは肝部分切除術)の方針となった.手術のための入院予定日の前に,患者から「痛み止めを飲んでいるがおなかの痛みが続いている」と外来に電話連絡あり,予約外受診された.来院時,「下腹部が痛い」と訴えあり.
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