Japanese
English
投稿 原著
外来化学療法を受ける肺がん患者の経済的負担にかかわる看護師の困難さ
Difficulties faced by Nurses when supporting for the financial burden on patients receiving outpatient chemotherapy for lung cancer
大倉 泉
1
,
二本栁 玲子
2
Izumi OOKURA
1
,
Reiko NIHONYANAGI
2
1札幌南三条病院看護部外来/がん化学療法看護認定看護師
2金城大学看護学部看護学科准教授
1Sapporo Minami Sanjo Hospital
2Department of Nursing, Faculty of Nursing, Kinjo University
キーワード:
肺がん
,
外来化学療法
,
経済的負担
,
看護支援
,
困難さ
Keyword:
lung cancer
,
outpatient chemotherapy
,
financial burden
,
nursing support
,
difficulty
pp.650-655
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango26_650
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◆要 旨◆
本研究の目的は,外来化学療法を受ける肺がん患者の経済的負担にかかわる看護師の困難さを明らかにすることである.
対象者は肺がんを専門とするA病院に勤務し,外来化学療法に携わる外来看護師17名とした.対象者を5~6名のグループに編成し,フォーカス・グループ・インタビューによる半構成的面接を行った.インタビュー内容から逐語録を作成し,経済的負担にかかわる際の困難さに関連して語られた箇所について,意味内容が読み取れる最小単位のまとまりのある表現をコード化し,コード名を付した.類似のコードは集約し,抽象度を上げてサブカテゴリー,カテゴリーを生成した.
インタビュー内容から,外来化学療法を受ける肺がん患者の経済的負担にかかわる看護師が感じる困難さとして,【支援に自信が持てない】【問題の核心に踏み込みにくい】【支援しても経済的問題を解決できない】【患者自身で問題を抱え,支援が行き届かない】【医師の協力・理解を得ることに難渋する】の5つのカテゴリーが抽出された.
患者の支援には,実践に役立つ学習機会を持ち,患者が相談しやすい体制の構築が望まれる.また,解決がむずかしくても患者に寄り添い続けることが重要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2021