特集2 研究結果を生かした診断・治療期の緩和ケア ~実践へのチャレンジ~
【3.患者の力を引き出す・高める緩和ケア】
放射線療法のセルフケア/セルフマネジメントを高めるケア
藤本 美生
1
Mio FUJIMOTO
1
1兵庫県立粒子線医療センター医療連携課/がん看護専門看護師
pp.55-56
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_55
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はじめに ~Badrの研究での2つのことに注目しよう~
放射線療法を受ける患者は,有害事象により口腔内乾燥や嚥下困難,コミュニケーションの問題を抱えている.長期化すると体重減少や栄養障害など身体的問題だけでなく抑うつや不安などの精神心理的な問題をもたらすことになる.この研究では,精神的な苦痛を,患者だけでなく患者を主にサポートしている配偶者も高い割合で抱えていることに着眼しており,セルフマネジメント力の低下だけでなく夫婦関係にも障害をもたらすものととらえている.自己効力感を高めながら患者が効果的な症状マネジメントができること,それに加えて配偶者自身も精神的な苦痛を最小限にしながら効果的な患者サポートができることを目指している.この系統的介入は自宅ケアが基本となっている.
© Nankodo Co., Ltd., 2020