書評
外科医の育て方―外科教育を科学する
藤井 努
1
1富山大学消化器・腫瘍・総合外科
pp.570
発行日 2026年8月1日
Published Date 2026/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka88_570
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- 文献概要
2024年7月14日,筆者は富山において「激減している消化器外科医の未来を明るくするための研究会」を開催した.当時,日本消化器外科学会の理事を務めていた筆者は,学会データをもとに「消化器外科医数は今後確実に減少局面へ向かう」という現実を可視化し,これまで半ばタブー視されてきた問題を社会に向けて発信することで,なんらかの変革の契機を生み出したいと考えていた.調憲理事長(群馬大学),比企直樹ワーク・イン・ライフ委員長(北里大学)をはじめ,全国から多くの消化器外科指導者が富山に集ったが,筆者はこの会を単なる危機感の共有や愚痴の応酬の場にはしたくなかった.そのため,第1セッションとして「外科医に対する医学教育の重要性」をテーマに据えた.演者選定に際し,真っ先に頭に浮かんだのが倉島庸先生であった.すでにわが国の外科教育学を牽引する第一人者として知られていた先生は,期待をはるかに超える示唆に富んだ講演を行われた.熱気に包まれた研究会終了後,筆者のことも以前から知っていてくださった倉島先生と杯を酌み交わし,「これからよろしくお願いします」と肩を抱き合った.そのわずか1ヵ月後に接した突然の訃報は,筆者にとって肉親を失ったかのような衝撃であり,深い悲嘆をもたらした.そのときの感情は,今なお鮮明に記憶に刻まれている.
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