発行日 2011年9月20日
Published Date 2011/9/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2012018850
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
混合病棟で勤務する看護師が、がん化学療法看護を提供するうえで、どのようなことを困難と感じ、不安を抱えているかを知るために、2008年6~7月に当院の10床の個室のみからなる1つの病棟で勤務する経験豊富な看護師4名を対象に、がん化学療法看護に関する困難さについて半構成的面接を行い、質的記述的にデータ分析した。抽出された123コードから、6コアカテゴリー【抗がん剤の特殊性】【知識不足】【経験不足】【マニュアルや経験者の不足】【自信のないままに提供する看護】【医師との距離】が導き出された。【医師との距離】は、《コミュニケーション不足》《医師の不在》のカテゴリーから構成され、専門病棟ではない混合病棟ゆえに抽出された。これらの困難さを具体的に低減し、がん化学療法看護の均てん化を目指すためには、勉強会の開催や化学療法看護に習熟した看護師を育成し院内のがん化学療法看護の技能を高め、医師との円滑なコミュニケーションを図るようカンファレンスを充実させる必要性が示唆された。看護師4名の分析ではあるが、がん化学療法専門病棟をもたない当院で、がん化学療法看護認定看護師が具体的な介入を行ううえでの示唆が得られた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011