発行日 2012年3月20日
Published Date 2012/3/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2012180219
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がん患者とその家族の相談先として、個々の療養場所でのケア提供者や病院の相談室、あるいはがん電話相談などの第三者機関がある。本調査は、独立型ホスピスに寄せられた相談内容を分析し、ホスピスへの電話相談内容、および相談者に必要な支援方法を検討した。また、ホスピスへの入院にいたらなかった要因を分析し、ホスピスへの移行期における終末期がん患者・家族への支援について示唆を得た。電話相談内容は、5つに分類され、幅広い病期におけるさまざまな相談内容があり、こまやかな相談支援の必要性が示唆された。ホスピスへの入院にいたらなかった要因は、【ホスピスへの移行時の支援体制不足】【ホスピスへ移行することへの患者・家族の不安・迷い】の2つに分類された。こうした移行時の支援体制不足があり、また相談支援を受けてもなお、患者・家族の不安や迷いが大きいことが入院にいたらない要因となっていた。終末期がん患者のホスピスへの移行期では、紹介元とホスピスの双方で、揺れ動く患者・家族の気持ちに寄り添い、どのような療養場所で過ごすことが患者や家族にとってよいのかをともに考えながら、先を見越した視点で支援する必要がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2012