発行日 2006年3月20日
Published Date 2006/3/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2007007847
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終末期の患者に「もう死にたい」と切望された時の看護師の対応について,事例(60歳・女性.胃癌)を通して振り返った.食事を摂れなくなってから死を望む言動が頻回になった患者に対し看護師は,患者の辛い気持ちに共感しながらも,死を受容することと死を願うことには大きな違いがあると考え,理不尽な思いを抱いた.入院から1ヵ月後,患者の強い希望により持続的鎮静となり,2週間後,永眠した.時間を経て当事例を振り返ると,患者にとって死は苦痛からの解放であるとともに希望につながる一つの通過点であり,「死にたい」と「死の受容」は同一線上にあったのではないかと考えた
©Nankodo Co., Ltd., 2006