発行日 2004年5月20日
Published Date 2004/5/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2004251166
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外来癌患者に特徴的なニーズ及びその背景要因との関係を明らかにすることを目的に,総合病院2施設においてニーズに関する68調査項目に対するアンケートを実施し,142名より有効回答を得た(有効回収率47.3%).対象者の平均年齢は61.5±11.6歳,男性73名(うち,癌患者36名),女性68名(同39名)であった.調査の結果,癌患者・非癌患者を問わず,外来患者が多領域にわたる具体的な情報提供を求めていることが明らかになった.癌患者で最も平均値が高かった項目は「病院では身体がつらくないような方法で治療してほしい」であった.また,癌患者群と非癌患者群との間で項目値に有意差が認められたのは,「再発に対して不安がある」「死や死ぬことを思いわずらう」「どうしてこんなことに,と思う」の3項目のみであった.これらの結果から,上記の癌患者の思いに考慮しながら,情報提供をはじめとする患者の背景特性に合った援助を提供していく必要性が示唆された
©Nankodo Co., Ltd., 2004