肝臓を診る-肝臓病のキモ 肝疾患各論
自己免疫性肝炎(AIH)・原発性胆汁性肝硬変(PBC) スピードが大事な症例も
海老沼 浩利
1
,
銭谷 幹男
1国際医療福祉大学 医学部
キーワード:
Transaminases
,
Ursodeoxycholic Acid
,
肝硬変-胆汁性
,
副腎皮質ホルモン
,
肝炎-自己免疫性
,
重症度指標
,
診療ガイドライン
Keyword:
Transaminases
,
Adrenal Cortex Hormones
,
Liver Cirrhosis, Biliary
,
Severity of Illness Index
,
Ursodeoxycholic Acid
,
Practice Guidelines as Topic
,
Hepatitis, Autoimmune
pp.1121-1129
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017264371
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
自己免疫性肝炎(AIH),原発性胆汁性胆管炎(PBC)ともに,中年女性に好発する自己免疫性肝疾患の一つであり,その原因が解明されていないが,何らかの自己免疫機序が想定されている.両疾患ともその疾患概念が定着してきたこともあり,典型例では診断が比較的容易であるが,急性発症型AIHやオーバーラップ症候群のように診断に迷う症例も存在する.急性発症型AIHでは治療が遅れると急性肝不全に移行する可能性があることから,早急に診断・治療を必要とする場合も存在する.本稿では,両疾患の診断概念,診断,治療について概説するが,とくに現在利用されている診断基準をできる限り紹介した.これらの診断基準を参考に診断していくわけであるが,急性発症型AIHのような急速に進行する場合は早急に専門医のいる施設に紹介することが望ましい.
©Nankodo Co., Ltd., 2017