腹痛を診る-非専門医に求められる初期診療 各種検査の適応と意義
検体検査と心電図検査
辻川 知之
1
,
伊藤 明彦
,
五月女 隆男
,
居出 健司
1国立病院機構東近江総合医療センター 消化器内科
キーワード:
生物学的マーカー
,
C-Reactive Protein
,
糖尿病性ケトアシドーシス
,
Porphobilinogen
,
ポルフィリン症
,
急性腹症
,
血液化学分析
,
血液凝固異常
,
血球計数
,
血栓塞栓症
,
検尿
,
子宮外妊娠
,
心筋梗塞
,
心電図
,
心不全
,
心房細動
,
膵炎
,
尿管結石
,
尿路感染症
,
腹痛
Keyword:
Abdomen, Acute
,
Blood Coagulation Disorders
,
C-Reactive Protein
,
Blood Chemical Analysis
,
Atrial Fibrillation
,
Blood Cell Count
,
Electrocardiography
,
Heart Failure
,
Myocardial Infarction
,
Pancreatitis
,
Pregnancy, Ectopic
,
Porphyrias
,
Porphobilinogen
,
Thromboembolism
,
Biomarkers
,
Urinary Tract Infections
,
Ureteral Calculi
,
Abdominal Pain
,
Urinalysis
,
Diabetic Ketoacidosis
pp.699-706
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016410188
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腹痛患者でも高齢者かつ脂質異常症など虚血性心疾患リスクのある患者では,胸痛を伴わない急性心筋梗塞を否定すべく心電図検査施行が望ましい.通常尿検査は尿管結石の疑い例で行われるが,妊娠を完全に否定したい場合に尿中hCG測定が有用である.腹痛患者における貧血や炎症の程度と肝障害,腎障害の有無をみるために一般血液検査を行う.疾患特異性の高い項目として,急性膵炎における血清リパーゼ,腸管虚血の重症度判定に乳酸値,心筋梗塞疑い例での心筋マーカー,急性右心不全による腹痛例でのBNP,腹腔内の重篤な感染症におけるプロカルシトニンなどの有用性が報告されている.施行すべき検査を的確に選択するために,まず詳細な病歴聴取と腹部診察を行うことが肝要である.
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