2015年の白血病診療-一般外来での初発症状から長期フォローアップまで
白血病の疫学
中村 文明
1
,
坂田 弥生
1東京大学 大学院医学系研究科公衆衛生学
キーワード:
生存率
,
白血病
,
発生率
,
疫学的変遷
Keyword:
Leukemia
,
Incidence
,
Survival Rate
,
Health Transition
pp.185-190
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015323325
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白血病の患者数は増加しており,人口の高齢化が原因であると考えられる.年齢別の罹患率では,高齢になるほど罹患率は高く,高齢者の患者数は増加傾向である.年齢調整罹患率は1975年以降あまり変化がなく,欧米諸国と同様である.年齢調整死亡率は低下傾向であり,5年生存率は若年者で改善傾向にある.急性骨髄性白血病,急性リンパ性白血病,慢性骨髄性白血病の罹患率は欧州諸国と同等である.慢性リンパ性白血病の罹患率は,本邦は欧州諸国よりも低い.高齢化に伴い白血病の患者数は増加していくため,高齢者の白血病のケアは今後の課題となると考えられる.
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