発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015206401
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94歳男。30歳代に外傷により左眼を失明した。誤嚥性肺炎のため緊急入院した。入院前の日常生活動作は屋内での伝い歩きは可能で、食事は自分で摂取できていたが、ときどきムセがあった。全身状態が改善したため、第7病日よりリハビリテーションを開始した。第12病日には介助下に平行棒内歩行を2往復可能となったが、その夜に発熱があり誤嚥性肺炎の再発と診断した。嚥下造影により不顕性誤嚥を認めた。経口摂取は困難と判断し、経鼻経管による経腸栄養となった。日中傾眠傾向でリハビリテーションの継続は困難で、第59病日に療養目的で転院した。画像所見より膠芽腫の可能性が高いと考えたが、超高齢のため支持療法の方針となった。転院後135病日に死亡した。病理解剖で、主病変は脳腫瘍(多形性膠芽腫、右前頭葉~側頭葉・基底核)で、転移性はなかった。
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