Focus On
医療機関としての新型インフルエンザへの備え
田辺 正樹
1
1三重大学医学部附属病院 医療安全・感染管理部
キーワード:
インフルエンザ-ヒト
,
院内感染
,
感染症予防
,
保護具
,
感染予防管理
,
パンデミック
Keyword:
Communicable Disease Control
,
Cross Infection
,
Influenza, Human
,
Protective Devices
,
Infection Control
,
Pandemics
pp.303-310
発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015095442
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2009年の新型インフルエンザ(A/H1N1)の経験を踏まえ,2013年4月,新型インフルエンザおよび新感染症(以下,「新型インフルエンザ等」)を対象とした新たな法律「新型インフルエンザ等対策特別措置法」が施行され,また同年6月,「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」,「新型インフルエンザ等対策ガイドライン」が策定された.今後,新型インフルエンザ等が発生した際には,特措法・政府行動計画・ガイドラインに基づいた対応が求められるため,医療機関においては,これらの概要について理解しておく必要がある.また,新型インフルエンザ等の発生に備え,各地域において医療機関間の連携を進めるとともに,各医療機関において診療継続計画の策定が求められている.新たな感染症が問題となった場合,行政機関や専門学会等から診療・対策に関する種々の通知・ガイドライン等の情報が発信される.このような情報を迅速かつ効率的に収集する方法を平時から確立しておくことも重要である. 法律・行政面からは通常の感染症対策と異なる面はあるものの,新型インフルエンザ等への対応は,季節性インフルエンザをはじめとした日常の感染対策の延長線上にあるものであり,日ごろからの感染対策が重要である.
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