発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014391198
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37歳男。両眼窩部痛、複視および眼球運動障害を主訴とした。初診時より強い眼窩部痛があり、眼瞼腫脹や眼球結膜充血、複視も認めたが、眼球突出は僅かであった。眼窩部MRIでは、右外側直筋と左内側直筋の筋腹が高度に腫大している所見を認めた。初診時の甲状腺機能は正常であったが、TSAbが200%と異常高値を示し、当初はeuthyroid Graves' ophthalmopathyと考えた。しかし、入院時にTSAbを再検したところ168%と正常であり、臨床症状および眼窩MRI所見より特発性外眼筋炎と診断した。ステロイドパルス療法を3クール施行し、経過中に生じた眼窩部痛や眼球結膜浮腫、眼瞼腫脹の増悪に対してprednisolone内服を開始し、眼窩部へ放射線療法も行った。3クール施行後はPSLにmethotrexateの内服を併用した。治療開始4ヵ月後にmethotrexateを中止、26ヵ月後にprednisoloneを中止し、再燃なく経過している。
©Nankodo Co., Ltd., 2014