一般内科外来でみる出血傾向 「ぶつけてないのにアザ!」にあわてない
出血傾向の鑑別診断
冨山 佳昭
1
1大阪大学医学部附属病院 輸血部
キーワード:
血管疾患
,
血小板減少症
,
紫斑病
,
出血性疾患
,
鑑別診断
,
病歴聴取
,
分類
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Classification
,
Hemorrhagic Disorders
,
Medical History Taking
,
Purpura
,
Thrombocytopenia
,
Vascular Diseases
pp.193-197
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014279899
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紫斑の大きさ,種類や部位により,その異常が血小板に起因するのか,凝固系に起因するのかをある程度鑑別できる.紫斑と鑑別すべきものとして,紅斑や毛細血管の拡張や血管腫などがあげられる.紅斑や毛細血管拡張は硝子圧により褪色するが,点状出血は圧迫によっても褪色することはない.日常診療における成人の出血傾向は薬剤に起因することが圧倒的であるため,服用薬剤の詳細をまず聴取する.日常生活において出血傾向が明らかになるのは,血小板数が5万/μL未満に減少した場合である.広範な皮下および筋肉内出血を認める場合は,凝固因子異常の可能性がきわめて高い.血管性紫斑病の場合は,血小板系,凝固系検査に異常がなく,Rumpel-Leede試験が陽性の場合に強く疑われる.出血傾向が明らかな場合には,出血時間検査を行う意義はほとんどなく,またその必要もない.
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