医療関連感染症 起こさないためにどうするか? 起きてしまったらどうするか? 医療関連感染症の防止対策
結核患者を見逃さないためにはどうすべきか?
横田 恭子
1
1香川大学 感染症講座
キーワード:
外来患者
,
危険因子
,
結核
,
院内感染
,
抗細菌剤
,
疾病の発生
,
入院患者
,
発生率
,
感染予防管理
,
医薬品適正使用
,
早期診断
Keyword:
Anti-Bacterial Agents
,
Disease Outbreaks
,
Cross Infection
,
Inpatients
,
Outpatients
,
Risk Factors
,
Tuberculosis
,
Incidence
,
Infection Control
,
Early Diagnosis
pp.963-968
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014039712
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他の先進国と比較して日本の結核罹患率は高い.「日本では結核はまれな疾患である」,「若年者の呼吸器症状で結核は考えにくい」という先入観は危険である.結核の進行は緩徐であり,典型的な臨床症状,画像所見をとらないこともある.不明熱や呼吸器症状をきたした患者では,常に鑑別に入れる必要がある.結核のリスクがある患者に対しては,常に結核の可能性を考え,症状および画像所見の変化を見逃さないように努める.外来,入院ともに結核の疑いのある患者を早急にトリアージし,感染を広げないようにする.個人の努力だけはなく,見落としをなくすような体制づくりを検討する必要がある.
©Nankodo Co., Ltd., 2013