発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013323225
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50歳男。食道静脈瘤破裂および肝細胞癌に対し、ラジオ波焼灼療法(RFA)を施行された。4年後より通院を中止し飲酒を再開した。さらに2年後に胸腹水の治療後、肝内の肝細胞癌に対し経皮的肝動脈塞栓療法およびRFAを3回施行した。経過良好であったが、血糖値が300~400mg/dlと上昇した。造影CTでは、肝細胞癌治療部位の腹側に再発を認めた。血糖高値に対し血糖コントロールとRFAを行ったが、翌日より構音障害や歩行障害が出現した。頭部MRIでは、橋に占拠性病変が認められた。当初、脳梗塞を疑いedaravoneなどを2週間継続し、言語療法および歩行訓練を始めたが、神経症状は悪化した。第26病日に精査加療目的に転院した。画像の経過、臨床的特徴により、中心性橋髄鞘融解症(CPM)と診断された。2週間後に杖歩行が可能となり、構音障害も改善傾向を認め、6ヵ月後に症状はほぼ消失し、画像もほぼ正常化した。血糖コントロールは保存的治療を継続した。
©Nankodo Co., Ltd., 2013