診療controversy medical decision makingのために 超急性期ラクナ梗塞に対するtPAの使用
慎重な立場から
宮元 伸和
1
,
田中 康貴
,
卜部 貴夫
1順天堂大学医学部附属順天堂医院 脳神経内科
キーワード:
血栓溶解療法
,
MRI
,
脳梗塞
,
Tissue Plasminogen Activator
,
多施設共同研究
,
ランダム化比較試験
,
静脈内注射
,
頭部CT
Keyword:
Magnetic Resonance Imaging
,
Injections, Intravenous
,
Tissue Plasminogen Activator
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Multicenter Studies as Topic
,
Thrombolytic Therapy
,
Brain Infarction
pp.327-330
発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011140420
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ラクナ梗塞は、高血圧が深く関与し穿通枝動脈の閉塞により生じる脳梗塞と考えられており、microbleedsとleukoaraiosisを同時にもつ症例が多い。ラクナ梗塞は軽症例が多く、tPA静注療法のメリットがデメリットを上回る可能性は低く、さらに、脳出血を引き起こす可能性まで示唆される。以上の背景より、脳梗塞の臨床病型の中でもラクナ梗塞に対するtPA静注療法は、出血リスクを有する病態を考え合わせ、きわめて慎重に行われるべきである。
©Nankodo Co., Ltd., 2011