甲状腺疾患 日常診療のTips and Essence
検査 TgAb、TPOAbと甲状腺の機能・病理
上田 実希
1
,
浜田 昇
1すみれ病院
キーワード:
Thyroglobulin
,
甲状腺腫瘍
,
リスク
,
橋本病
,
Thyroglobulin Antibody
,
抗甲状腺抗体
Keyword:
Risk
,
Thyroglobulin
,
Thyroid Neoplasms
,
Hashimoto Disease
,
Anti-thyroglobulin
pp.98-104
発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011078930
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・TgAb、TPOAbは、それぞれサイログロブリン(Tg)、甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)に対する抗体である。・TgAb、TPOAbは、通常の状態では自己免疫性甲状腺疾患の病態に影響を与えない。・TgAb、TPOAbと甲状腺機能との関係については、抗体価が高いものでTSHが上昇しているものが多いが、それほど明らかではない。・TgAb、TPOAbと甲状腺病理のあいだには相関があり、抗体が陽性であることは甲状腺におけるリンパ球浸潤の存在を意味する。・TgAb、TPOAb測定の臨床的意義でもっとも大きなものは、橋本病の診断である。・その他、lithium、インターフェロンα等の薬剤治療や出産後に甲状腺機能異常を生じるリスク予測、甲状腺癌経過観察中のTg測定時等にも、TgAb、TPOAbの測定が有用である。
©Nankodo Co., Ltd., 2011