発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009138556
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例1:35歳女。重症筋無力症(MG)MGFA IVと診断し、抗コリンエストラーゼ阻害薬とステロイド併用療法、さらに胸腺摘出術を行ったが呼吸困難と嚥下障害を繰り返したため治療抵抗性MGとして間欠的免疫吸着療法(I-IA)を導入した。導入時はprednisolone(PSL)内服日・非内服日で症状が変動して治療効果の持続は短く、1年半後より間欠的免疫グロブリン大量静注療法(IVIg)と抑制薬投与を1年間継続したが改善効果がなく、初回導入後3年に再びI-IAを開始した。半年後よりPSL内服日・非内服日での症状に差がなくなり効果も持続し、約3年間の継続でADLの向上、MG scoreの改善、PSL減量に成功した。症例2:44歳女。MG・MGFAIIbと診断し、症例1同様の治療を施行したが症状の増悪による呼吸困難を繰り返したため免疫抑制薬投与とI-IAを導入した。約1ヵ月毎にI-IAを施行したが症状改善が不十分なためステロイドパルス療法を併用し、PSL連日投与、免疫抑制薬と抗コリンエステラーゼ薬でコントロールした。導入後2年で呼吸困難や球麻痺症状が減少し、PSL減量も可能となり、8年後には抗AChR抗体の低値、MG scoreは改善し、治療間隔も3~4ヵ月と延長できた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009