治療可能な病態COPD 診療の実際と展望
COPDに特異的な薬物療法 貼付型β2刺激薬によるCOPDの治療
寺本 信嗣
1
,
山本 寛
,
山口 泰弘
,
花岡 陽子
,
石井 正紀
,
日比 慎一郎
,
大内 尉義
1東京大学医学部附属病院 老年病科
キーワード:
Adrenergic Beta-Agonists
,
患者コンプライアンス
,
Cholinergic Antagonists
,
呼吸困難
,
生活の質
,
多剤併用療法
,
経口投与
,
スパイロメトリー
,
EBM
,
吸入投与
,
Salmeterol
,
Tiotropium Bromide
,
Tulobuterol
,
貼付剤
,
肺疾患-慢性閉塞性
Keyword:
Salmeterol Xinafoate
,
Tiotropium Bromide
,
Administration, Inhalation
,
Administration, Oral
,
Adrenergic beta-Agonists
,
Drug Therapy, Combination
,
Dyspnea
,
Patient Compliance
,
Quality of Life
,
Spirometry
,
Evidence-Based Medicine
,
Cholinergic Antagonists
,
Pulmonary Disease, Chronic Obstructive
,
Transdermal Patch
,
Tulobuterol
pp.265-270
発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008110803
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COPD治療では、長時間作用型気管支拡張吸入薬が治療の中心であるが、薬剤投与経路の違う貼付型β2刺激薬は、本邦を含むアジア地域でしか使用できないユニークで有効な薬剤である。COPDの治療において貼付型β2刺激薬は、単剤使用の初期治療薬として、また、吸入薬の併用薬としてのエビデンスがある。したがって、吸入薬がうまく使えない、あるいは、服薬コンプライアンスがわるい患者では、COPD治療の第一選択となりうる。高齢者や、疾患理解の低い患者に有効である。二つ目の使い方は、すでに吸入抗コリン薬を服用している患者への併用である。COPDは慢性疾患であるため、治療継続後の効果持続が重要であるが、自験例では、この併用療法により肺機能、呼吸困難感、運動能、生活の質の改善が得られ、この効果は1年間継続した。明らかな副作用もみられず、高齢者を含めたCOPDの安定期の治療管理薬として、有効であると考えられる。
©Nankodo Co., Ltd., 2008