腫瘍内科診療データファイル
疾患からみる各種癌の診断・治療 血液 慢性骨髄性白血病
神田 善伸
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター 血液科
キーワード:
Cytarabine
,
Interferons
,
白血病-BCR-ABL陽性慢性骨髄性
,
造血幹細胞移植
,
Imatinib
Keyword:
Imatinib Mesylate
,
Cytarabine
,
Interferons
,
Leukemia, Myelogenous, Chronic, BCR-ABL Positive
,
Hematopoietic Stem Cell Transplantation
pp.1313-1320
発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008061427
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
慢性骨髄性白血病(CML)は、フィラデルフィア(Ph)染色体によって産生されるBCR/ABL融合蛋白質が原因となって発症する疾患であり、その診断にもPh染色体の証明が必要である。自然経過では、数年間の慢性期を経て急性転化を生じて死にいたる。慢性期患者の標準治療は、特異的チロシンキナーゼ阻害薬imatinibの投与であり、約80%の患者にPh染色体が消失する細胞遺伝学的完全寛解が得られる。imatinib投与中は有害事象や有効性を定期的に評価し、可能な限りimatinibを目標とする量で投与することが重要である。imatinibに対する耐性化が認められた場合や移行期、急性転化期に進行した場合には、第二世代のチロシンキナーゼ阻害薬や造血幹細胞移植を検討する。
©Nankodo Co., Ltd., 2007