甲状腺疾患 診療スタンダードと新たなチャレンジ
甲状腺結節の取り扱い 微小癌と濾胞性腫瘍の診療方針
宮内 昭
1
1隈病院
キーワード:
Thyrotropin
,
腫瘍侵入性
,
鑑別診断
,
甲状腺結節
,
濾胞状腺癌
,
細針生検
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Neoplasm Invasiveness
,
Thyrotropin
,
Thyroid Nodule
,
Adenocarcinoma, Follicular
,
Biopsy, Fine-Needle
pp.853-857
発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008056073
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甲状腺結節の大部分は腫瘍性病変であり、「結節性甲状腺腫」と呼ばれる。「結節性甲状腺腫」は触診所見であり、あくまでも暫定的診断名である。従来は腫瘤の自覚、あるいは触診によって発見されたが、最近は種々の画像検査で偶発的に発見されることが多くなった。甲状腺結節の大部分は、とくに治療を要しない。治療が必要な悪性腫瘍を、効率よく診断することが求められる。鑑別診断の武器は超音波検査と穿刺吸引細胞診であり、組織型診断も可能である。濾胞癌の診断はむずかしい。濾胞癌の可能性が高い濾胞性腫瘍を選んで、手術適応とする。多数発見される微小甲状腺癌の大部分は低リスク癌であり、経過観察も選択肢の一つである。
©Nankodo Co., Ltd., 2007