いま知っておきたい! 内科最新トピックス (第9章)内分泌
甲状腺結節の取り扱い 甲状腺結節を見つけたらどのように対処するか
中村 浩淑
1
1隈病院 内科
キーワード:
甲状腺腫-結節性
,
鑑別診断
,
超音波診断
,
分類
,
アルゴリズム
,
甲状腺結節
,
濾胞状腺癌
,
細針生検
Keyword:
Algorithms
,
Diagnosis, Differential
,
Classification
,
Goiter, Nodular
,
Ultrasonography
,
Thyroid Nodule
,
Adenocarcinoma, Follicular
,
Biopsy, Fine-Needle
pp.1189-1194
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016044864
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甲状腺結節は過形成病変の腺腫様結節,良性腫瘍の濾胞腺腫,悪性腫瘍(乳頭がん,濾胞がん,低分化がん,未分化がん,髄様がんなど)に分類される.甲状腺結節の診断には超音波検査(US)と穿刺吸引細胞診(FNA)がもっとも重要で,結節の対処法はUS所見とFNA診断をもとに行う.乳頭がんはUS,FNAに特徴的所見があり,診断は可能である.濾胞がんの診断は腫瘍細胞の被膜浸潤,脈管侵襲,遠隔転移を認めることで,組織診断でなければ確定診断は難しい.このため臨床的には濾胞腺腫と濾胞がんをまとめて濾胞性腫瘍として扱う.FNAの鑑別困難群は,濾胞性腫瘍が疑われる群と濾胞性腫瘍以外が疑われる群に分けて対処する.USで悪性所見がない腺腫様結節は,経過中増大しても悪性のリスクは高くない.濾胞性腫瘍が増大したときは,組織診のため手術を勧める.
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