分子標的療法時代の白血病治療 絨毯爆撃から狙い撃ちへ
標準治療法の変遷 分子標的療法は何を変えようとしているのか? 慢性リンパ性白血病
山本 一仁
1
1愛知県がんセンター中央病院 血液・細胞療法部
キーワード:
腫瘍多剤併用療法
,
白血病-慢性B細胞性
,
CD40抗原
,
IgE Receptors
,
アルキル化抗腫瘍剤
,
Fludarabine
,
Rituximab
,
Alemtuzumab
,
分子標的治療
Keyword:
Rituximab
,
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Leukemia, Lymphocytic, Chronic, B-Cell
,
Receptors, IgE
,
Antineoplastic Agents, Alkylating
,
CD40 Antigens
,
Molecular Targeted Therapy
,
Fludarabine
pp.278-282
発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008003459
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慢性リンパ性白血病(chronic lymphocytic leukemia:CLL)は、本邦ではきわめてまれな疾患であるが、欧米ではもっとも頻度の高い白血病の一つである。CLLは、緩徐な経過を取ること、高齢者に多いこと、治癒をもたらす治療法が確立されていないことから、治療は症状およびQOLの改善、生存期間の延長が治療の目標であった。最近になり、fludarabineなどのプリンアナログ、alemtuzumabやrituximabなどの抗体薬がCLL治療に導入され、奏効率が向上し、生存率への貢献が期待されている。現在、分子標的薬の開発や個別化治療に向けた取り組みが進んでおり、CLLの治療成績のさらなる向上が期待されている。
©Nankodo Co., Ltd., 2007