内科医のためのパーキンソン病診療
パーキンソン病の画像診断 パーキンソン病における黒質超音波検査
三輪 英人
1
1和歌山県立医科大学 神経内科
キーワード:
黒質
,
鑑別診断
,
Parkinson病
,
脳エコー検査
,
早期診断
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Echoencephalography
,
Parkinson Disease
,
Substantia Nigra
,
Early Diagnosis
pp.840-844
発行日 2007年5月1日
Published Date 2007/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007169036
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パーキンソン病患者の約90%では、超音波検査において黒質が高輝度に描出される。一方、健常者の約10%程度でも黒質高輝度変化がみられ、さまざまな年齢層の健常者における黒質高輝度変化陽性の割合は、年齢のいかんにかかわらず一定であったとする報告がある。黒質高輝度変化はパーキンソン病に特徴的であるが、黒質神経細胞変性を反映したものではないようである。黒質高輝度変化の原因は十分に明らかにされていないが、鉄の沈着の可能性が示唆されており、黒質神経細胞の脆弱性の指標と位置づけられつつある。今後、黒質超音波検査はドパミン神経細胞変性リスクの評価や、パーキンソン病の発症前診断に役立つと期待される。
©Nankodo Co., Ltd., 2007