発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005102260
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85歳女.下腹部と右大腿内側の毛細血管拡張様皮疹を主訴に受診し,精査入院となった.下腹部の皮疹は約20×10cm大で,一部に硬結・圧痛を認めた.右大腿の皮疹は数cm程度の大きさであった.末梢血検査で血小板の著明な減少と,白血球,赤血球の軽度減少を認めた.血液生化学検査ではLDHが異常高値を示し,LDHアイソザイムは3型優位であった.右大腿の皮疹は入院後数日で消失したが,腹部の皮膚症状は変わりなく,入院第6日に38℃台の発熱が出現した.腹部皮疹との関連性が疑われたため同部の皮膚生検を行い,病理組織学的に血管内リンパ腫と診断した.骨髄穿刺検査を行ったところ血球貪食像が認められた.治療はCHOP療法を行い,通常投与量の半量で開始した.1クール目で解熱,皮疹の縮小,血小板・LDHの正常化が得られ,2クール目で皮疹はほぼ消失した.その後も投与量を増やしながら繰り返し施行したが,短期間で再燃するようになり,発症後約半年で死亡した
©Nankodo Co., Ltd., 2005