発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005004347
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67歳男.右背部痛と心窩部痛を主訴に受診し,貧血,血小板減少を認め,精査加療目的で入院となった.検査の結果,急性リンパ性白血病と診断され,血小板輸血と糖尿病に対するインスリン治療を行い,VEPA-Lによる寛解導入療法を開始した.しかし,左片麻痺に出現し,その後意識障害の進行,JCS 200,右共同偏視,四肢麻痺も出現した.頭部CT,MRI及びMRAで両側前及び側頭葉に広範な出血性脳梗塞と著明な脳浮腫を認め,両側内頸動脈には灌流異常が見られた.ステロイド及びglycerinによる治療を行ったが死亡した.剖検所見で脳は出血を伴う腫大と軟化があり,出血性脳梗塞を示していた.両側内頸動脈から中大脳動脈,後交通動脈まで血栓による完全閉塞が認められた.組織所見では両側にアテローム動脈硬化を伴い,一部血管内出血を伴った新しい血栓による100%閉塞がみられた
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