発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2004159542
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65歳女.主訴は意識障害.糸球体腎炎による慢性腎不全で血液透析導入されていた.意識レベルJCS200,失調性呼吸と無呼吸があり,軽度の瞳孔不同と対光反応の減弱,項部硬直を認め,深部腱反射は亢進し,病的反射は陽性で,左半身にミオクローヌス様の不随意運動が頻発していた.帯状疱疹ウイルスによる髄膜脳炎,高血圧性脳症,薬物中毒などを考え,aciclovir(ACV)の投与,血圧コントロール,血液透析などを開始した.血液透析は,短時間連日透析を選択した.血圧はnicardipine hydrochloride持続点滴でコントロールした.血圧が良好にコントロールされたあとも意識レベルの回復は不十分で,変動した.髄液検査の結果は,細胞数3/mm3,タンパク59mg/dl,糖57mg/dlであった.再度内服薬を確認した結果,valaciclovirを服用していたことが明らかになった.症状をみながらACVの投与を中止すると共に,ヘモソーバーCH-350による吸着療法を併用した血液透析を行った.意識レベルは急速に改善し,後遺症なく回復した
©Nankodo Co., Ltd., 2004