発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2003207330
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78歳男.67歳時,糖尿病を指摘された.77歳時,糖尿病性網膜症と,糖尿病性腎症を指摘された.76歳時,胃癌のため胃全摘出し,77歳時,橋本病を指摘された.転倒の頻度が増し,下肢の筋力低下を自覚するようになった.増悪する筋力低下の精査,加療目的で,入院となった.ビタミンB12低値,抗胃壁細胞抗体陽性より,筋力低下の原因は悪性貧血と診断された.hydroxocobalamin acetateを2週間連日筋肉内投与し,並行して筋力強化のためリハビリテーションを行った.入院1ヵ月後には筋力低下が改善したため,退院とした.又,ACTH分泌不全が尿中ステロイド低値の原因と考えられた.尿中遊離コルチゾールは低値だが基準値の範囲内であり,副腎不全の徴候はみられなかったため,退院の時点ではステロイド補充は行わず,外来で経過観察することとした
©Nankodo Co., Ltd., 2003