発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008146480
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Metal-on-metal摺動人工関節における表面改質材の摩擦磨耗特性について検討した。方法は高炭素コバルトクロム合金の未処理材、炭素イオン注入材(C注入材)、ダイヤモンド状薄膜(DLC)を成膜したDLC材の3種類の試験片を作製し、表面構造と物理特性、摩擦磨耗特性を比較した。1)最大表面硬度は未処理材8GPa、C注入材11.4GPa、DLC材14.8GPaで、表面粗さは未処理材とC注入材は比較的平滑であったが、DLC材は粗さが増加し、レーザー顕微鏡で不規則な斑点状構造、干渉計で凹凸不整を認め、高倍率SEM像でDLC作製時の炭素粉と炭素層の欠損と判明した。2)摩擦係数は、蒸留水潤滑で未処理材は0.13~0.3前後で推移し、C注入材は約150回、DLC材は約25回の摺動で未処理材と同程度まで上昇した。ウシ血清溶液では未処理材は0.2~0.25、C注入材は0.1~0.5前後で推移し、DLC材は100回頃より未処理材を上回った。磨耗量は潤滑液に関わらずC注入材で少なく、DLC材では数倍多かった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008