発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004048437
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足根骨癒合症に伴って発症するperoneal spastic flatfoot(PSFF)および後脛骨筋腱の異常緊張で発症するtibialis posterior spastic varus foot(TSVF)の臨床像について検討した.PSFF11例・TSVF5例の計16症例(男性9例・女性7例,年齢10~53歳・平均18.8歳)の初療時のCT所見から,距骨下関節に形態異常を認めた10例と認めなかった12例に分けて比較検討した.なお,PSFFとTSVFを包括する病態を痙直性足部変形と表現した.その結果,足根骨癒合症に関連する痙直性足部変形は有意にTSVFが多く,PSFFは必ずしも足根骨癒合症や距骨下関節病変と関連があるとはいえなかった.距骨下関節のCT所見で異常を認めない痙直性足部変形は全例PSFFであり,足根洞周辺の炎症が原因と考えられ予後は良好であった.また,距骨下関節の病変部位と変形の方向との間には深い関連性が認められ,痙直性足部変形の発症機序に関する新しい仮説を提唱した
©Nankodo Co., Ltd., 2003