発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004020921
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生後6ヵ月以降にはじめて診断され治療された先天股脱の診断遅延例37例を調査し,現在の健診システムの問題点を検討した.先天股脱見逃し例で1ヵ月,3ヵ月健診を受診していなかったのは1例のみであり,健診自体の受診率は良好であった.比較的開排制限の少ない症例が多く,これが診断遅延の一因と考えられた.家族歴のある症例が近医指摘例に多く,健診の場においても先天股脱の家族歴の聴取は重要と考えられた.家族が異常に気づいても次回健診まで待機する場合があり,家族への啓蒙が重要と考えられた.3ヵ月健診は保健所に地域の小児を集めて診察する絶好の機会であり,整形外科医の積極的参加または健診施行医への指導により見逃し例を減少させ得ると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2003