外科医が知っておくべきウイルス肝炎の最新治療
D,E型肝炎、その他のウイルス肝炎のupdate
矢野 公士
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1国立国際医療センター国府台病院 肝炎・免疫研究センター研修推進室
キーワード:
肝炎-E型
,
E型肝炎ウイルス
,
肝炎-D型
,
GBウイルスC
,
SENウイルス
Keyword:
Hepatitis D
,
Hepatitis E
,
Hepatitis E virus
,
Torque teno virus
,
GB virus C
pp.360-365
発行日 2009年4月1日
Published Date 2009/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009143152
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わが国の全国調査の結果では、A型、B型、C型以外のウイルス性肝炎、すなわち非A非B非C型肝炎はなおも散発性急性肝炎の約1/4を占めている。このうち、E型肝炎ウイルス(HEV)が先進国にも常在すること、動物を介してヒトに感染していることなどが明らかとなり、熱帯の発展途上国のみならず、先進工業国におけるHEV感染の実態把握が急務となっている。D型肝炎ウイルス(HDV)はわが国では1%未満とまれであるが、B型肝炎キャリアにおいてウイルス増殖との乖離が認められる場合などには念頭に入れておく必要がある。近年、「肝炎ウイルス候補」として報告されたTTV,GBV-C/HGV,SENVは肝炎ウイルスとは認知されていない。本稿では、わが国においても広く分布し近年社会問題としてクローズアップされているHEVを中心に、HDV、その他の肝炎ウイルス候補について、歴史的な経緯と最近の知見を主体に述べることとする。
©Nankodo Co., Ltd., 2009