発行日 2003年11月1日
Published Date 2003/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004089432
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HLA一致或いは一座のみ不一致の70歳未満の血縁のドナーを有する,病理組織学的に診断がついた手術不能膵癌で,3ヵ月以上の生存が期待できる70歳未満の症例を対象とし,ミニ移植を施行した.Gemcitabine,fludarabine,busulfanの3剤を用いた前処置の後に,HLA一致或いは一座不一致の血縁ドナーからの末梢血幹細胞移植を行っている.7例にミニ移植を行った.全例移植後28日で完全キメラ化が達成された.3例は移植後最長11ヵ月を経て生存中で,CT画像上改善をみたのが3例,腫瘍マーカーの低下が2例にみられた.移植100日以内の移植関連死亡は認めなかったが,1例は腫瘍の急速な進行のため移植後72日で死亡した.移植後生存期間は平均値183日であった.治療有効例において,免疫抑制剤の中止とGVHDの出現と共に治療効果を認め,GVT効果が存在することが示唆された
©Nankodo Co., Ltd., 2003