特集 DECODE OF THE BRAIN:ヒトの脳を読む新たなアプローチ
脳で量る美
石津 智大
1
1ロンドン大学ユニバーシティカレッジ神経生物学研究所
キーワード:
高次神経活動
,
視覚
,
MRI
,
聴覚
,
脳
,
美
,
報酬(心理学)
,
前前頭皮質
,
美徳
,
快(心理学)
,
機能的神経イメージング
,
経頭蓋直流電気刺激
Keyword:
Beauty
,
Brain
,
Hearing
,
Higher Nervous Activity
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Reward
,
Vision, Ocular
,
Prefrontal Cortex
,
Virtues
,
Pleasure
,
Functional Neuroimaging
,
Transcranial Direct Current Stimulation
pp.664-668
発行日 2015年6月22日
Published Date 2015/6/22
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“美”とは,失快感症など特殊な症例を除いて,ほぼすべての人が感じることのできる,人類に共通して備わった一種の感覚と言える.主に美学や哲学などこれまで人文学で取り組まれてきた審美や感性といった内的状態に関する問題を,脳の働きを可視化できる脳機能画像法を利用して研究する試みが今盛んに行われている.本稿では,美醜の体験に対応する脳活動や,審美的判断の基盤となる脳の機構についてなど,神経美学(neuroaesthetics)と呼ばれるこの分野のこれまでの研究成果を紹介する.また,脳機能研究からの知見を踏まえ,力強くも不可視で曖昧な美という感覚が,私たちにとってどのような役割を持つのか考察する.
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