特集 IgG4関連疾患とその鑑別 ―IgG4-related or not? That is the question―
腎泌尿器領域のIgG4関連疾患とその鑑別
八木 文子
1
,
秋田 大宇
1
,
陣崎 雅弘
1
1慶應義塾大学医学部放射線科学教室(診断)
キーワード:
IgG4関連疾患
,
腎臓
,
尿管
,
尿道
,
前立腺
,
精巣
Keyword:
IgG4関連疾患
,
腎臓
,
尿管
,
尿道
,
前立腺
,
精巣
pp.1157-1167
発行日 2025年9月25日
Published Date 2025/9/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000006527
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● 腎皮質・辺縁優位に両側性の小さな結節が多発性に認められた場合,IgG4関連疾患(IgG4-RD)の尿細管間質性腎炎の可能性がある.その画像所見は多彩であり,単発性腫瘤の形態を呈した場合には,乏血性腎細胞癌との鑑別が困難である.
● IgG4-RDの上部尿路病変では,尿路上皮癌と比較し,両側性,尿路病変が長い,壁外への進展,境界不明瞭,漸増性の造影効果,大動脈浸潤,大動脈周囲/仙骨前/骨盤壁領域の脂肪織濃度上昇などの尿路外所見を呈する.
● 中高年女性で均一な全周性の尿道病変をみた際には,鑑別にIgG4-RDを考慮する.
● IgG4-RDの既往がある,あるいは疑われる症例において,下部尿路症状や逆V字型FDG集積を来した場合には,IgG4-RDによる前立腺病変の可能性も考慮する.
● IgG4-RDの陰嚢内病変は,精巣上体炎や線維性偽腫瘍として発症する場合がある.

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