特集 “現場的”外傷画像診断とIVR ~命を救うRadiologyのチカラ
2章 外傷画像検査のエッセンスと未来 5 外傷症例におけるMRI
井上 明星
1
1滋賀医科大学 放射線医学講座
キーワード:
びまん性軸索損傷
,
脂肪塞栓症
,
脊髄損傷
,
外傷性膵損傷
Keyword:
びまん性軸索損傷
,
脂肪塞栓症
,
脊髄損傷
,
外傷性膵損傷
pp.S63-S70
発行日 2024年3月10日
Published Date 2024/3/10
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000005360
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• 交通外傷をはじめとした重症頭部外傷で受傷直後から意識障害が遷延する場合には,びまん性軸索損傷の可能性が高い.
• 骨折後にみられる皮膚点状出血,中枢神経症状,進行する呼吸不全では,脂肪塞栓症を考慮する.
• MRIはびまん性軸索損傷,脂肪塞栓症の診断に有用であり,拡散強調像およびT2強調像/磁化率強調像を撮像プロトコールに含めるとよい.
• 脊髄損傷急性期のMRI所見には,脊髄圧迫,脊髄浮腫,髄内出血,脊髄虚血および脊髄離断があり,これらは脊髄損傷の神経学的予後と相関する.また,受傷後2週間,脊髄浮腫の程度はダイナミックに変化する.
• MRI/MRCPは膵損傷,特に主膵管損傷の診断に有用であるが,主膵管損傷の除外には適さない.
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