特集 IL-20以降の新しいインターロイキンの機能と関連疾患
せるてく・あらかると
IL-18とIL-33の“マスト”ではない話
安田 好文
1
1兵庫医科大学 免疫学・医動物学
pp.800-801
発行日 2012年6月22日
Published Date 2012/6/22
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インターロイキンファミリーはどこまで増え続けるの? と多くの人が思っているのではないだろうか.自分が学生のころはIL-●●まであったなんて話で年齢が推測できてしまいそうなくらい,徐々にではあるが,増え続けている.もちろんCD分子群ほどではないが.今私が知っているのはIL-36までだが,世の中ではどうなっているのかとPubMedで調べてみたらIL-38まで論文が出ていた.もうとても覚えられそうにない(もちろんこの特集を読んで勉強します).教える側の立場ながら,免疫学の授業を受ける最近の学生さんは覚えることが多くてほんとに大変だ.そのIL-36からIL-38まではIL-18やIL-33と同じIL-1ファミリーのサイトカインであった.さてこのIL-1ファミリーサイトカイン,同じファミリーなのだから同じような働きをしているのではないかと思われる.実際,IL-18,IL-33の受容体はToll様受容体(TLR)と共通のアダプター分子MyD88を介して下流のNF-κBやMAPKを活性化する.がしかし,IL-18やIL-33をマウスに投与したときの反応は,IL-18では粘膜型マスト細胞が増えるのに対して,IL-33では好酸球が増えるというように,まったく異なっている.そしてそれぞれが生体の様々な反応に関与している.
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