特集 臨床工学技士による呼吸療法の実践
人工呼吸療法の本質を理解する 人工呼吸器の使用目的と改善した病態の理解 ─人工呼吸は肺のサポートではない─
齋藤 俊祐
1
,
方山 真朱
2
1自治医科大学 内科学講座 循環器内科学部門
2自治医科大学 麻酔科学・集中治療医学講座 集中治療医学部門
キーワード:
コンプライアンス
,
経肺圧
,
食道内圧
,
人工呼吸器関連肺傷害
,
P-SILI
Keyword:
コンプライアンス
,
経肺圧
,
食道内圧
,
人工呼吸器関連肺傷害
,
P-SILI
pp.313-322
発行日 2024年3月25日
Published Date 2024/3/25
DOI https://doi.org/10.15105/CE.0000001806
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
人工呼吸器は,肺の機能が低下した際に酸素化と換気を補助する目的で使用される.一方,不適切な人工呼吸管理により,肺のみならず全身の臓器を傷害することが認識されており「人工呼吸は肺のサポートだけではない」ことを理解する必要がある.適切な人工呼吸管理を行うためには,人工呼吸器のグラフィックから得られる呼吸器系のメカニクス(気道抵抗,コンプライアンスなど)の評価が不可欠である.また肺保護換気戦略に基づいた人工呼吸管理が重要である.COVID-19の流行以降,自発呼吸による肺傷害(P-SILI)も注目されており,P0.1に代表される人工呼吸器のパラメータや食道内圧の積極的なモニタリングが望ましい.
Copyright © Gakken All rights reserved.