第1特集 教科書通りにいかない心不全診療
心不全ガイドラインとプライマリ・ケアでの実践
高齢・フレイル患者の心不全
-標準治療がそのまま適応できないとき
石瀬 裕子
1
1静岡県立静岡がんセンター 感染症内科
pp.460-464
発行日 2026年3月1日
Published Date 2026/3/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2026040005
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はじめに
高齢化が進み,心不全患者においても高齢者が増えており,急性期にガイドライン推奨治療(guideline-directed medical therapy:GDMT)が導入された後,プライマリ・ケア領域で慢性期の診療が行われることも多くなっている1).
しかし,高齢者では低血圧・腎機能障害・電解質異常・多剤併用が障壁となり,標準治療の導入・継続が困難なことも多い.フレイルを合併した左室駆出率が低下した心不全(heart failure with reduced ejection fraction:HFrEF)患者ではGDMT導入率が低く,さらに導入・維持率の低さが死亡率と関連することが報告されており2),プライマリ・ケア医にとって高齢フレイル患者の心不全治療薬の管理は重要な問題である.
本稿では,虚血性心筋症によるHFrEFでGDMT導入を受けた高齢患者が,加齢やフレイルの進行に伴い低血圧が問題となってきた場面を例にあげ,ポリファーマシーとフレイルの視点から薬剤調整の考え方を整理していく.

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