連載 えびさんぽ第46回
気道感染症に抗菌薬は効果がありますか?
青島 周一
1
1医療法人社団徳仁会 中野病院 薬局
pp.1384-1386,1492-1493
発行日 2025年10月1日
Published Date 2025/10/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2025110023
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
国内における抗菌薬の処方率(人口1,000人あたりの年間処方数)は,2012年の1,221件から,2020年の556件へと54%減少した1).特に,気道感染症に対する抗菌薬の処方率は大きく減少しており,2012年と比較した2020年の抗菌薬処方の割合比は咽頭炎で0.66,副鼻腔炎で0.76,ウイルス性上気道感染症で0.49であった.抗菌薬の処方率が低下した主な要因は,2016年に厚生労働省が策定した「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」によるところが大きい.一方で,気道感染症に対する抗菌薬は,どの程度の有効性が期待できる(あるいはできない)ものなのだろうか.今回は,気道感染症に対する抗菌薬の有効性を検討した主要なランダム化比較試験(RCT)を時系列でまとめる.

Copyright© 2025 NANZANDO Co.,Ltd. All Rights Reserved.