特集 「がん治療継続」サポートの柱になる
がん治療の継続をサポートする 薬剤師もできること・薬剤師だからできること 有害事象に備える 悪心・嘔吐の予防と重症化回避への対応
橋本 浩伸
1
1国立がん研究センター中央病院 薬剤部
キーワード:
Dexamethasone
,
嘔吐
,
悪心
,
抗腫瘍剤
,
腫瘍
,
多剤併用療法
,
制吐剤
,
診療ガイドライン
,
病勢悪化
,
Olanzapine
,
Aprepitant
,
Fosaprepitant
,
Serotonin 5-HT3 Receptor Antagonists
Keyword:
Antineoplastic Agents
,
Drug Therapy, Combination
,
Nausea
,
Vomiting
,
Dexamethasone
,
Disease Progression
,
Practice Guidelines as Topic
,
Olanzapine
,
Aprepitant
,
Neoplasms
,
Antiemetics
,
Serotonin 5-HT3 Receptor Antagonists
,
Fosaprepitant
pp.3370-3374
発行日 2021年11月5日
Published Date 2021/11/5
DOI https://doi.org/10.15104/J01461.2022030337
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<Key Points>◎制吐療法に使用される薬は、セロトニン(5-HT3)受容体拮抗薬、NK1受容体拮抗薬、副腎皮質ステロイドおよびオランザピンである。◎5-HT3受容体拮抗薬は抗ドパミン作用による錐体外路症状などが少なく、第一世代、第二世代がある。◎嘔吐中枢のNK1受容体を抑えることで制吐効果を発揮するNK1受容体拮抗薬は、高度催吐性リスクの抗がん薬治療への制吐療法として推奨されている。◎副腎皮質ステロイドの悪心・嘔吐に対する作用機序は十分に解明されていないが、臨床試験において主にデキサメタゾン(DEX)が用いられており承認用量は注射剤では3.3~16.5mgである。◎非定型抗精神病薬であるオランザピンは、ドパミン、セロトニン、アドレナリン、ヒスタミン、ムスカリンなどの受容体に対して拮抗作用を示すことで制吐効果が期待される。◎高度催吐性リスクの制吐療法は、日本ではアプレピタント、5-HT3受容体拮抗薬、DEXの3剤併用、海外ではオランザピンを加えた4剤併用が標準である。
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