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抄録
【目的】以前の調査で、Aセンターのグリーフケアの認識度は低かったことから、周産期の喪失を経験した母親に対する退院後の支援の一助となり、病棟スタッフの周産期喪失のケアの認知を高めるためのパンフレットを作成した。そこで、パンフレットの評価を目的とした調査を行った。
【対象と方法】対象は看護職45名とした。パンフレットの内容は、先行研究から『セルフヘルプグループの紹介』『カウンセリングの紹介』『自分でできる心のケアの情報』『いつでも相談できる窓口』『悲嘆のプロセスを知る』の5項目とした。各々の内容の看護職の認知を、「よく知っている」〜「知らない」の4件法で尋ねた。また、『今後の臨床現場で活用できる内容だったか』について「はい」「いいえ」の2件法で尋ねた。分析は、全ての項目を単純集計した割合で評価した。
【結果】同意の得られた23名を分析対象とした。パンフレット配布後の看護職の認知は、5項目全てで高かった。また、『セルフヘルプグループの紹介』『悲嘆のプロセスを知る』の2項目は、実在するグループの名前や活動内容、URLを紹介し、悲嘆のプロセスは容易な説明文を記載したところ、パンフレット配布後の「知らない」「あまり知らない」の割合が0%となった。一方で、『カウンセリングの紹介』『自分でできる心のケアの情報』『いつでも相談できる窓口』の3項目は、地域でのグリーフケアの支援は積極的に行われていない現状から具体的な内容を記載出来ず、パンフレット配布後も『あまり知らない』と回答した者が4%存在した。また、パンフレットが『今後の臨床現場で活用できる内容だったか』に対し、100%が「はい」と回答した。
【結論】パンフレットは改善の余地はあるが、今後の臨床現場において活用できる内容だったとの回答があり、実用化に向けての基礎資料となった。
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