Japanese
English
資料
がん患者が外来化学療法を受けながら仕事を継続するうえでの困難と取り組み,およびそれらの関連要因
Difficulties and Adjustments in Order to Continue Working and Related Factors among Cancer Outpatients Undergoing Chemotherapy
佐藤 三穂
1
,
吉田 恵
2
,
前田 美樹
3
,
鷲見 尚己
1
Miho Sato
1
,
Megumi Yoshida
2
,
Miki Maeda
3
,
Naomi Sumi
1
1北海道大学大学院保健科学研究院基盤看護学分野
2恵佑会札幌病院
3北海道大学病院
1Department of Fundamental Nursing, Faculty of Health Sciences, Hokkaido University
キーワード:
外来がん患者
,
化学療法
,
就労
,
困難
,
取り組み
,
cancer outpatients
,
chemotherapy
,
employment
,
difficulties
,
adjustments
Keyword:
外来がん患者
,
化学療法
,
就労
,
困難
,
取り組み
,
cancer outpatients
,
chemotherapy
,
employment
,
difficulties
,
adjustments
pp.77-84
発行日 2013年12月25日
Published Date 2013/12/25
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
Ⅰ.緒言
近年,化学療法による副作用の管理がしやすくなったことに加え,「外来化学療法加算」の導入や点数の引き上げなどを機に外来での化学療法が広まっている.外来化学療法は,普段の生活を継続しながら治療や療養を続けることができることから,今後さらに多くの患者が治療法として選択することが見込まれる.
しかし一方で,外来化学療法を受ける患者の困難も報告されている.たとえば,副作用が管理しやすくなったとはいえ吐気/嘔吐,食欲不振,倦怠感など身体的な苦痛を経験していること1),抑うつや不安など心理的な問題を抱えていること2)3),家族への負担や治療と仕事の調整の難しさなど社会生活にかかわる困難があること1)2)が報告されている.齊田ら4)の調査では,患者の多くが倦怠感や脱毛といった身体的症状を苦痛と感じていると同時に,「仕事や家事への影響」といった社会生活に関連した苦痛を多く感じていることが明らかになっている.これらの結果は,外来化学療法を受ける患者が,自宅での生活を基盤に治療を継続できるというメリットを受けながらも,日々の生活を送っていくうえで難しさを抱えている現状を示すものといえよう.
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